「トーリの施術」ページにもあるように、腰痛、肩こりなどの部位(局所)には直接鍼を刺さないのが、当院の基本です。その理由は……
ということで、前回の続きです。
③ 局所に注目すると、「患者様の全体」が見えなくなる。
例:慢性的な便秘に悩む女性は、長いこと腹部中心の鍼を受けてきたものの、あまり効果がなかったようでした。そこで、職業(眼科医)と睡眠不足を考慮し、頚や肩を楽にする鍼をしたところ、数分後トイレに行きたいと申し出られ、急いで鍼を抜いたことがあります。
④ 多くの患者様を施術してきて、重要な経穴(ツボ)のある手足(肘、膝から先)への刺針が最も効果的で、経絡理論が信頼できるものと確信したから。
例:ぎっくり腰で両脇を支えられながら来院した男性は、施術用のベッドにうつ伏せになるのさえ耐えられないご様子でした。急いで、手首と足首の近くに計4本の鍼を刺したら、すぐに効果が現れ、自立して歩いてお帰りになりました。
⑤ 部位の関連を勘案して、一見関係なさそうな経穴(ツボ)に鍼を刺して効果が現れることに手応えと喜びを感じているからです。
当院では、マッサージにおいても、痛む箇所はほとんど触らず、経絡理論に従って施術をしています。