体は絶え間なく変化し続けている

▲眠っている間も変化しているの?
▲眠っている間も変化しているの?

「若い頃みたいな体に戻りたい」あるいは「病気をする前と同じようになりたい」と願う話はよく耳にします。でも、体は刻々と変化し続けているので、全く同じ状態というのは二度とありません。

 

かつて私は、和英辞典の分担執筆をしていたことがありますが、その時、「有為転変は世の習い」というフレーズに接し、方丈記の「行く河の流れは…」のイメージが浮かびました。川の流れという運動は、継続しても、反復はしません。同じ状態の繰り返しではないからです。

同じようなことが遠い古代ギリシアでも言われています。

「同じ川に二度と足を踏み入れることはできない」

これは、プラトン『クラテュロス』402Aに引用されたヘラクレイトスの言葉です。

 

私たちの体もまた、一瞬一瞬変化しながら、「私」であり続けています。

変わりながらも、なぜ「私」でいられるのか、とても不思議ですね。

 

この「動的平衡」という概念は、福岡伸一先生の著作で詳しく述べられていますので、興味のある方はご覧下さい。

『生物と無生物のあいだ』(講談社現代文庫)

『生命と食』(岩波ブックレット)、

『動的平衡』(木楽舎)

など。