恩師の言葉から(2):足三里にお灸したら太っちゃうよ!

やせたい人はご注意です。

足三里へのお灸が消化機能などを整えることや、長寿の灸と言われてきたことをご存じの方も多いと思いますが、時代背景を考える必要があります。

 

 昔(といっても、ほんの数十年前まで)のお年寄りは、食も細く、やせた人がほとんどでした。食事の内容も今とは異なり、全般的に低カロリーでした。そんな状況では、足三里にお灸をして、食欲を増進させることで、エネルギーレベルを上げ、結果元気に長生きが達成できたと考えられます。

 

 現代は、運動量に比べ食物の摂取量が多くなりがちなので、お灸をして、食欲増進となった場合、肥満や、それが遠因の一つとされる糖尿病などにも気をつけなければなりません。 

 

 お灸の方法も大切なポイントです。

 

鍼灸では、「補:足りないものを補う」と「瀉:過剰なものを排出する」という考えがベースになりますが、一般的な温灸では「瀉」を行うことは難しいと思われます。

 

 また、自宅でお灸をしている方からのご相談を聞いていると、ツボの位置が外れすぎていたり、本来お灸をすべきでないツボに施灸していたりと、心配になることがあります。

 

 温灸に添付されている説明書は、簡単なことしか書かれていないので、こうしたことが起きるのでしょう。

 

 一度、かかりつけの鍼灸師にお聞きになるようお勧めします。