「経穴(ツボ)はスイッチではありません!」:恩師の言葉から

▲経穴の本:表現方法もさまざまです。
▲経穴の本:表現方法もさまざまです。

「経穴って何ですか?」「こんな症状にはどの経穴が効きますか?」
というような質問をよく受けます。

テレビの健康コーナーや雑誌の記事などで、「こんな症状にはこの経穴」のような「情報」が多いせいでしょうか。

高血圧の場合を考えてみましょう。

病院に行くと、薬を処方をしてくれます。その際、医師は、副作用や他の病気、他の薬との相互作用などの要素を考慮して選択します。


私は薬については専門家ではないので、手元にある薬学の本*を参考にして書いていますが、降圧剤には、いろいろなタイプ(利尿薬、β遮断薬、Ca拮抗薬、 ACE阻害薬、A-II拮抗薬、α1遮断薬、αβ遮断薬、α2刺激薬)があり、それぞれに複数の薬が存在することがわかります。
*『やさしい薬理のメカニズム―薬のはたらきを知る』(中原保裕 学習研究社 2005年)

鍼灸施術も同じです。経穴を選び、組み合わせるときには、「血圧が高い」ということに加えて、その方の体質や生活習慣、他の病気、現在の状態などを勘案して、複数の選択肢から最適と思われるものを導き出します。

つまり、タイトルで師匠が「経穴はスイッチではありません」と言われたのは、「症状A」に対して「経穴B」が一対一対応ではない、という意味だったのでしょう。

もし、一つの疾患が一つの経穴で治るものだとしたら、免許取得して臨床経験を積んでもなお、日々経穴について学ぶという必要はありませんね。

 

■今日は、もう1件、経穴についての記事をアップします。

 

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