鍼灸マッサージ師は、患者さんをどのように診ているのか?

東洋医学では、CTMRIのような画像検査や血液検査を行うことはありません。その代り、五感を総動員して、患者さんの体を総合的に診て症状を把握し、施術方針を決めていきます。

 

「四診」:「望」「聞」「問」「切」と呼ばれる診断法を使います。


望診(神技):視覚を通して
聞診(聖技):聴覚・嗅覚を通じて
問診(工技):問いかけと応答により
切診(巧技):指頭・指腹・手掌の触覚を通じて  病態を診察する方法


望診が神技とよばれ、四つの最高位とされています。
私の師匠は「見てわかるようになりなさい」といつも言っていました。
「それって、神の技ですよね?」と聞くと
「そうだよ。一番難しいのを選ばないとだめだよ」と言われました。
もともと、難しい方を選んでしまう性格です。

 

ところで、五官による知覚は、次のような割合だそうです。
視覚 83%、聴覚 11%、嗅覚 3.5%、触覚 1.5%、味覚1.0%

 

この点からも、視覚情報を重視するのは合点がいきます。

私の場合も実際、患者さんから発する情報を一番キャッチしやすいのは視覚からなので、「望診」を最重視しています。また、問診の内容とともに、話す声に力やハリがあるかを聴くことも重要です。

症状の把握のために行われる脈診・腹診は、「切」の触診です。触診を重視する方も多いのですが、私はほとんど使いません。

 

どのように診るかは、修業先で学んだ方法や施術経験もありますが、結局は、施術者各人、どの感覚に直感「力」があるのか(重きを置いているのか)という問題だと考えます。

 

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