秋の「燥邪」によって粘膜の潤いが失われ、五臓では「肺」に影響が出ることは、以前の記事でお伝えしました。
この季節の肩こり治療では、特に「肺経」を重視した経穴(ツボ)の組合せを用いています。
肺経のフルネームは、「手の太陰肺経:てのたいいんはいけい」と言い、下の図のように、前胸部〜上腕前面〜前腕前面〜手関節〜母指を走行していきます。
鼻、のど、肺の症状があるとき、この肺経上の経穴(特に前腕部)に反応が現れます。
症状のある顔・首・胸部とは離れていて、関係なさそうに思える部位なので、押した時に痛みを感じて驚かれる方も多いのですが、このライン上の経穴に鍼・灸・マッサージをすると効果的なのです。
鎖骨下の「中府」や「雲門」へのカッピングも好評です。多くの患者さんから、「カッピングの後、呼吸がとても楽になる」というご感想をいただいています。
「手の太陰肺経」 (Lung Meridian)
『WHO/WPRO標準経穴部位 日本語公式版』
原著:WHO西太平洋地域事務局
監訳:第二次日本経穴委員会
発行:医道の日本社 より